
「なんだろう」と手に取りたくなる、『KINO』のパッケージ
今回ご紹介するのは、東京のやまの木を、毎日の暮らしへ。をコンセプトに掲げる『KINO』というプロダクトブランドのパッケージです。
『KINO』について

7割が多摩地域にあり森林の6割が人工林という、東京のやま。かつては、様々な種類の木々が生えていたそうですが、経済の成長にともなう住宅用建材の需要に応えるため、自然林を伐採し大量のスギやヒノキが植えられました。
ところが、安い外国産材の輸入が増え始めてからは、これらの国産材は放置され、手入れもされない状況になってしまっているのです。人の手で造られた山は人の手を掛けなければ維持ができません。使われずに残ったスギやヒノキの木材利用を増やし、森の再生に繋げる為の活動、それがKINO(キノ)です。
KINOつくるキット

KINOつくるキットは、このスギやヒノキを粗く切ったものに型が印刷された、制作キットです。
余った木材で完成された製品を作り上げてしまうのではなく制作キットという製品にすることで、木とふれあい木のことをもっと好きになってもらいたい、そして、木に関心を持ってもらいたい。そんな本来の思いを伝えられる製品になっています。
パッケージに込められた想い

デザイン
「食べる道具」をつくるキットであるため、食べ物と並んでもいいものに。
機能性
制作キットでもあるため必ずしも1日で完成しないものであるため繰り返し封が出来る形を採用。また、気密性ができるため、木の香りを閉じ込めておくのにも一役かっている。
気づきの工夫
製品はちらっと見える程度にし、手描きのイラストで自然素材を好むターゲット向けに。また、シンプルに表現することで店頭に並んだときに「なんだろう」と手に取ってもらうための仕掛けも。
まとめ
プロダクトブランドのコンセプト自体も個人的に好きですが、デザイン性だけでなく、思いを伝える製品やそれを手に取ってもらうためのパッケージへの工夫など、細部にまでわたるこだわりが凄いと思いました。